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装置の洗浄・消毒

近年、透析患者の合併症を予防、改善する目的でハイパフォーマンスメンブレンを使用するようになり、透析装置内や排液ラインはもちろん、各装置からの排液が合流する排液集中配管内の汚れも問題となっており、透析装置全体を適正に保つために、より質の高い管理が重要視されています。
また透析液清浄化とともに、透析装置からの排水など、環境に対する配慮も必要です。

透析装置において、洗浄・消毒剤に求められることは、装置および配管の最近やウイルスなどを死滅させる消毒効果と、透析液由来の炭酸カルシウムなどのスケール除去効果です。
現在、透析装置に使用されている洗浄・消毒剤を大きくわけると塩素系酢酸系があり、それぞれに特徴があるので、目的によって使い分けられています。

○塩素系洗浄・消毒剤の種類と特徴
塩素系洗浄・消毒剤は、幅広い抗菌スペクトルを有しています。
しかし、炭酸塩やバイオフィルムに対する溶解作用や剥離効果、付着防止効果はなく、炭酸塩の除去には、酢酸による定期的な洗浄が必要となります。

1)次亜塩素酸ナトリウム(NaOCL)
 淡黄色でpH9.5~12.5間の弱~強アルカリ域にあり、次亜塩素酸イオンとして存在している溶液です。
 安価で幅広い抗菌スペクトルを有した消毒剤です。
 しかし、有機物存在下では次亜塩素酸イオンが著しく低下するため、安定した消毒効果が期待できない場合があります。
 また、高濃度で使用した場合、排水中の残留塩素による環境汚染が問題となります。
 さらに、金属部品や配管材料に対する強い作用があるため、劣化・腐食作用や保管環境によっては有効塩素濃度が減少するなど、使用にあたっては注意が必要です。
 最近は上記の欠点を改善した次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする洗浄・消毒剤が多数開発され、販売されています。

2)界面活性剤配合塩素洗浄・消毒剤
 物質には水に溶けやすい親水性の物質と、油に溶けやすい親油性の物質があります。
 水と油は混ざりにくく、混合してもすぐに分離しますが、界面活性剤は、分子内に親水性の部分と親油性の部分を併せ持つため、水と油など混合しにくい物質を混合しやすくする作用があり、物質への浸透作用、乳化作用、分散作用をもつため、洗剤などに多様されています。
 界面活性剤はその科学的性質から4つに分類されます。
 界面活性剤を次亜塩素酸ナトリウムに配合することにより、高い殺菌および消毒効果を発揮します。

 水に溶けた時に、疎水性の部分が陰イオンに電離する陰イオン系は、古くから多くの種類が開発され、その利用料は全界面活性剤の約半分を占めています。

 水に溶けた時に、疎水性の部分が陽イオンに電離する陽イオン系は、石けんとは逆のイオンになっているため、逆性石けんと呼ばれることもあります。
 一般に、マイナスに帯電している固体表面に強く吸着し、柔軟性、帯電防止性、殺菌性などの性質をもっているため、柔軟仕上げ剤やリンス剤、消毒剤として利用されます。

 水に溶けた時に、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示す、両性イオン系は、
 煽情性や起泡性を高める補助剤として広く使用されています。

 水に溶けた時に、イオン化しない親水基をもっている非イオン系は、起泡性があり、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の全ての界面活性剤と併用できます。

3)塩素化イソシアヌル酸化合洗浄・消毒剤
 塩素安定剤であるイソシアヌル酸の活性水素を塩素化したものです。
 性質は、水に溶解すると加水分解して次亜塩素酸を生成し、抗菌作用、酸化作用、漂白作用などを発揮します。
 弱酸性~中性域(ph6.2±0.05で使用します。このとき、溶液中では、次亜塩素酸の形で大部分が存在し、次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性なので、次亜塩素酸イオンの形で存在します。
 どちらも遊離残留塩素ですが、次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンに比べて約80倍程度、抗菌力が強いため、低濃度での使用が可能となり、環境汚染への影響や金属部品や配管材料への影響が少なく、透析装置内への長時間封入が可能となります。
 また、溶解時のpHが弱酸性であることから、炭酸塩の付着防止効果が期待でき、酢酸による洗浄回数を減らすことができます。
 安定性に優れていますが、溶解時に刺激性の塩素臭が発生するため、活性炭の脱臭装置を取り付けるなどの対策が必要です。

4)次亜塩素酸ナトリウム添加型洗浄・消毒剤
 前述したように、次亜塩素酸ナトリウムは幅広い抗菌スペクトルをもち消毒剤で、従来から透析装置の消毒に多様されてきましたが、金属に対する腐食作用や炭酸塩の溶解作用がないなどの欠点がありました。
 こうした点を解消する目的で開発されたものが、添加型の洗浄助剤であり、次亜塩素酸ナトリウムに配合することによって洗浄・消毒効果を高める事が可能となります。

参考・引用文献
血液浄化装置メインテナンスガイドブック (クリニカルエンジニアリング別冊):監修:日本医工学治療学会、出版:秀潤社

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tag : 透析液清浄化 基礎

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