PTHについて

カルシウムリン代謝で重要な副甲状腺ホルモンPTHPara Thyroid Hormone)についてです。

PTHは84個のアミノ酸から構成されています。
完全分子型である場合はインタクトと呼ばれ、蛋白分解酵素により体内で分解された場合はN末端、C末端、中間部の三つのフラグメントからなります。
PTHはN末端に生理活性を有し、C末端フラグメントは生物学的には不活性であるが、血中半減期が長く安定です。
C末端フラグメントは腎より排泄されるので、腎不全例では排泄不良のため血中で高値をみることがありますが、インタクトはその影響を受けにくく、また生理的活性があるので現在では最もよく測定されています。
ただし、不活化を防ぐために採血後ただちに冷却下で血漿を分離する必要があります。
PTHはカルシウムの低下、リンの上昇、活性型ビタミンDの欠乏によって分泌が促進されます。

PTHの作用としては、骨を壊し(骨吸収)、カルシウムを血液中に移動させたり、尿中へのカルシウム排泄を抑制して血清カルシウム濃度を上げようとします。
また、腎臓でのビタミンD活性化を促進したり、腎臓でのリン排泄量を増加させるという作用があります。
それ以外に、心臓、骨髄、赤血球膜、リンパ球、肝臓、血管など多くの臓器組織への作用があり、PTHの毒性として、脳神経障害、造血抑制や赤血球寿命の短縮、好中球やリンパ球の機能異常、心肥大や心機能抑制、筋肉エネルギー産生や蛋白合成阻害、糖代謝阻害、脂質代謝異常など、多彩な異常を起こす事が挙げられます。
日本のガイドラインでは60〜180pg/mlという、米国のガイドライン(150〜300pg/ml)よりも低く目標値が設定されています。
ただし、生命予後の関連からPTHのコントロールよりもリン、カルシウムの管理を優先する内容になっています。

PTHのコントロールには、ビタミンD製剤やシナカルセトが利用されています。
簡潔に言えばビタミンD製剤を増量する事でPTHの産生・分泌を抑制、カルシウム、リンは上昇し、シナカルセトはPTH、カルシウム、リンを低下します。

参考・引用文献
血液浄化療法ハンドブック第5版:編集:透析療法合同専門委員会、出版社:協同医書出版社
透析医が透析患者になってわかったしっかり透析のヒケツ―エビデンスに基づく患者さん本位の至適透析:監修:斉藤明、著者:鈴木一之、出版社:メディカ出版
透析患者の病態へのアプローチ―CKD 5D:編集:深川雅史、出版社:金芳堂
平成20年度透析療法従事職員研修(テキスト):主催:日本腎臓財団

コメント

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修正しました。

ご指摘ありがとうございます。
コピペしてそのまま修正を忘れていました・・・面目ないです。

> ところで、PTH分泌への影響は、ビタミンD受容体より、カルシウム感知受容体(Ca sensing receptor)の方が強い様です。従って、二次性副甲状腺機能亢進症の治療の第一選択は、活性型ビタミンDのパルス療法などではなく、レグパラの投与と考えられてきている様です。
風間先生もレグパラは切れ味が良い、という風な事を仰ってました。
両者の作用から考えるとPTHのコントロール以外にビタミンDが使われる様になってくるのでしょうか?
免疫反応などへの関与も示唆されてるようですし・・・

書き間違い

と、思いますが、最後の部分、活性型ビタミンDは、PTH分泌を抑制する方向に働きます。

ところで、PTH分泌への影響は、ビタミンD受容体より、カルシウム感知受容体(Ca sensing receptor)の方が強い様です。従って、二次性副甲状腺機能亢進症の治療の第一選択は、活性型ビタミンDのパルス療法などではなく、レグパラの投与と考えられてきている様です。

それから現行の日本透析医学会のCKD-MBDガイドラインは、生命予後がよくなると思われる管理目標値を設定したものです。PTHよりもCa、P管理を優先したのは、そういう理由からです。
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